治療後に痛いのはなぜ
2023年2月1日
皆様の中には、むし歯の治療後なのに、歯が痛いといった経験をしたことはありますか?
治療をしたのに歯が痛いなんて、ちゃんと治療ができていないのではないかと思ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんので、ここはしっかりとご説明させていただきたいと思います。
むし歯の治療後に歯が痛む原因
むし歯の治療中は、麻酔をしているため痛みには気づかないことが多いですが、麻酔が切れた後にズキズキと歯が痛み出したという経験をした方は大勢います。
- 治療後は神経が敏感になる
むし歯の治療後は神経が敏感になるため、いつもより痛みを感じやすくなります。
むし歯の治療では、タービンと呼ばれる機器を使いますが、その時に生じる振動が神経へダメージを与えます。むし歯が神経に近ければ近いほど、熱や振動は伝わりやすいです。
- 神経が炎症を起こしている
むし歯で溶かされた歯をきれいに取り除いても痛みがある場合は、すでにむし歯菌が神経内部まで入り込んでいる可能性もあります。
また、神経の近くまで浸食しているむし歯は、神経を弱らせていることがあります。歯の神経がダメージを受けて弱っていると、治療後も歯がしみたりズキズキと痛む場合が多いです。
- 詰め物が神経を圧迫している
詰め物が神経を圧迫すると、治療後のむし歯がズキズキと痛くなる原因になります。
また、被せ物を入れる時に、嚙み合わせの調整がうまくいかず、周辺の歯根膜にダメージを与えて痛みを感じる場合もあります。
- 詰め物で銀歯を使用している
詰め物が銀歯の場合、冷たい物や熱い物を食べると痛くなる原因になります。
保険診療では、詰め物の材質にプラスチックや金属を使いますが、自費診療で使うセラミックに比べると金属は熱を伝えやすいため、日が浅いうちは刺激で傷みやすい状態です。
通常なら2~3日もすれば痛みはなくなります。
- 神経が取り切れていない
歯の神経を取り除く根管治療の後にズキズキと痛みが生じる場合は、神経が取り切れていない可能性が考えられます。
歯に通じる神経を取り除く根管治療は非常に複雑で、細くて狭い歯の中を隅々まで治療しなければ神経は取れません。そのため、治療が完了したと思っても、完全には神経が取り切れていない場合があります。
むし歯の治療後に歯が痛くなった時の対処
治療後の歯がズキズキと痛む症状は、一般的には2~3日もすれば落ち着きます。
もし治療後に痛みが1週間以上継続している場合は、神経の圧迫や炎症などの可能性が考えられますので、必ずかかりつけの歯科医へ相談するようにしましょう。
治療後に歯が痛くなった時は
- 痛み止めを服用する
どうしても歯の痛みを抑えたい場合は、痛み止め飲んで様子をみましょう。
- 刺激が強い食べ物を口に入れない
むし歯の治療後に歯が痛い時は、刺激が強い食べ物を口に入れないようにしてください。
- 血液の循環がよくなる行動を控える
身体が温まり血液の循環がよくなると歯の痛みが強くなります。そのため、できるだけ長風呂や激しい運動、飲酒等は避けましょう。
- 痛みがある歯を触らない
痛む歯に指でさわると、指に付着している細菌が患部に侵入する可能性があります。
患部を冷却シートなどで冷やす
冷却シートや冷たいタオルで患部を冷やすと、歯の痛みは少しだけ和らぎます。
治療後に再受診すべき痛みの目安は?
基本的に、むし歯治療後の痛みやしみるといった症状は数日で感じなくなっていきます。しかし、注意が必要で再受診すべき痛みもあるのでお伝えしておきます。
★痛みが時間の経過とともに増していく場合
★治療した歯の周囲が腫れてきた、赤くなってきた場合
★数日たっても症状が引かない場合
こういった症状の時は、一度確認のため再受診をして確認してもらうことをおすすめします。特に、腫れや痛みの増加は、何らかの感染が疑われるため、歯科医院での処置が必要です。
最後に
神経に近いむし歯の処置や、神経を取り除く処置を行った際には、治療直後に痛みや不快感が出ることは、治療後にドクターからご説明があるかと思います。
ご自宅で、痛みや不快感をやわらげるために、適切に痛み止めを使用し、タオル等で冷やすなどといった応急処置をまずは試してみることをおすすめします。
痛みやしみるといった不快感は、数日でだんだんと消失していくと思います。どうしてかというと、これは、神経の近くに第二象牙質という組織が作られ、刺激から神経が守られるようになったり、神経をとる治療中であれば、根管内にいれたお薬により、感染した組織が消毒され症状が鎮静化するためです。
せっかく治療を行ったのに歯に痛みや不快感があると心配になってしまうものですが、数日安静にし、痛み止めなどで対応しながら、それでも痛みが治まらない様でしたら再診をご希望されると良いと思います。
やまむら歯科では、治療後に痛みが出たりした場合、不安であればいつでもお問い合わせいただいて構いません。
当院は、笑顔とコミュニケーションで溢れた明るく暖かい雰囲づくりを大切にしております。
一人でも多くの方に当院を選んで良かったと思っていただけるように努めておりますので、遠慮なくお問い合わせください。
歯科医師 院長 山村 昌弘
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